フレデリック・ルノワール 著『哲学者キリスト』

  (トランスビュー,2012年)

「ギリシャ語,ラテン語,ヘブライ語を話せなければ,新約聖書を本気で学ぶことはできない」(エラスムス)

 エラスムスは,ユマニスムの観点から,新約聖書の本質を「キリストの哲学」であると同定します.このキリスト教理解から構想を得て執筆されたのが,フレデリック・ルノワール『哲学者キリスト』Le Christ philosophe です.

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金子 晴勇 著『エラスムスの人間学 キリスト教人文主義の巨匠』(知泉書館,2011年)

「"キリストの哲学"という表現は,エラスムスにおいては抽象的なものでは全くなかった.それは具体的にイエス・キリストの姿を指しており,つまりこの世に自らを現されたイエス・キリストのことである.・・・ そしてそれは人々の上に君臨しているのではなく,人々と共にあるイエスである」(金子 晴勇)

「子どもたちもキリストを好きになるように,そのようにキリストについて語ってください」(エラスムス)

​ つまり,キリストの哲学とは,キリストを敬愛する者の道行きのことである。

                             (三上 章)